剣道初段の筆記試験ってどうやって書けば良いんだろう。
実技や形に合格するためのポイントを知りたいな。
初段って落ちるのかな?合格率はどれくらいあるんだろう。
今回は、このような人に向けて書いています。
この記事を読むと、次のようなことを知ることができます。
この記事を読むと分かること
- 剣道初段の筆記試験に合格するためのポイント
- 剣道初段の実技試験に合格するためのポイント
- 剣道初段の形試験に合格するためのポイント
- 剣道初段の合格率
剣道初段の審査を受ける人は、実技や形はもちろんのこと、筆記試験についての不安が大きいことでしょう。
この記事を読んで実践してもらえれば、剣道初段は簡単に合格することができるので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
剣道初段の受験資格や年齢は?
剣道初段は誰でも受審できるものではなく、全日本剣道連盟が定める「称号・段級位審査規則」の中に次のように記載されています。
初段の受験資格
初段 一級受有者で、満13歳以上の者
第3章 段位の審査 (受審資格)第17条
つまり、既に「一級」を持っていて、かつ年齢が13歳以上であれば初段を受審することができます。
剣道初段の合格率は?
剣道初段の合格率は、80〜90%と言われています。
かなり高いですよね。
あまりデータとして出ていないのですが、神奈川県剣道連盟が平成30年の結果を発表していたので参考にしてみてください。
平成30年度の初段の合格率は「94%」、前年度(平成29年度)が「92%」になっていますね。
初段は全国的にこれくらいの合格率だとされています。
初段の合格率は80〜90%とほとんどの人が合格できます。
自信をもって受けてくださいね。
剣道初段の試験内容は?
剣道初段の試験内容は、実技審査+日本剣道形審査+学科試験となっています。
実技審査や学科試験の内容は、開催する地域によって異なります。
実技審査では、「立ち合い」と呼ばれる互角稽古を2回行うところもあれば、「切り返し+互角稽古」という地域もあるようです。
このように初段の審査内容に地域差があるのは、主催団体が異なるためです。
初段から五段までの審査は、全日本剣道連盟の会長が各都道府県の代表団体に委任して開催されます。
たとえば東京都であれば「東京都剣道連盟」、大阪であれば「大阪府剣道連盟」が全日本剣道連盟に一任されて開催しますので、主催する連盟によって審査の内容が異なるということです。
さらに東京都の場合は、初段から三段までの審査については「各区の剣道連盟」および「西東京剣道連盟」によって初段審査が開催されています。
剣道初段の審査内容はあなたが所属している地域によって異なります。
各都道府県の剣道連盟のホームページにも審査会情報は掲載されますので、詳細についてはあなたが所属している連盟の要項を参照するようにしてください。
初段の実技に合格するための4つのポイント
剣道初段の実技に合格するためのポイントは4つあります。
実技のポイント
- 礼法を大切にする
- 充実した気勢を出す
- 正しい剣道の足をする
- 残心を示して1本を打ちきる
初段の実技審査は、「基本」が身に付いていれば合格できます。
全日本剣道連盟が定める「剣道・居合道・杖道称号・段位審査規則・同細則」という決まりの中に、「段位の付与基準」が書かれています。
初段の段位の付与基準は、「初段は、剣道の基本を修習し、技倆良なる者」と書いてあります。
つまり、「基本ができていれば初段は合格」ということです。
その「基本」が先ほど紹介した4つですので、それぞれについてより詳しく説明していきます。
【 1 】礼法を大切にする
剣道初段の実技に合格するためのポイントの1つには「礼法を大切にする」があります。
剣道は、「礼に始まり、礼に終わる」という言葉もあるくらい、相手に対する礼儀を大切にしているからです。
初段になれば「剣道の有段者」ですから、礼法が身に付いていなくてはいけません。
初段の実技審査で大切な礼法は、「相手と合わせて礼をする」ことです。
実技審査を始めるときと終わるときに礼をしますが、しっかりと相手を見て合わせて礼をしましょう。
もう1つ、大切なのに忘れがちなのが、「蹲踞を相手と合わせる」ことです。
せっかく同時に相手と礼をしても、抜刀してから相手より先に蹲踞してしまう人がいます。
蹲踞まで相手と合わせてすることで、礼法が身に付いていることにもなります。
このように、細かいことではありますが初段の実技では「礼法」がチェックされています。
初段合格のためにも、相手と合わせた礼と蹲踞をするようにしてくださいね。
礼法については、「剣道の礼法の重要性とは?立礼と座礼についても説明」でも紹介していますので合わせて読んでみてください。
【 2 】充実した気勢を出す
剣道初段の実技に合格するためのポイントの2つには「充実した気勢を出す」があります。
充実した気勢とは、言い換えれば「大きな声」と「自分から打っていく姿勢」ですね。
剣道には「気剣体の一致」という言葉があります。
「気持ち」「剣」「体」の3つが揃っていないといけないということです。
また、1本になる条件にも「充実した気勢」は含まれています。
つまり、いかに上手に相手を打つことができても、声が出ていなければ1本にはならないということです。
このように、初段の実技に合格するためには、「大きな声を出して積極的に打っていくこと」が大切ですので、日頃の稽古から実践するようにしましょうね。
大きな声を出すことの大切さは「剣道の掛け声には意味があった!種類や効果を知れば説明できる!」で紹介していますので合わせて読んでみてください。
【 3 】正しい剣道の足をする
剣道初段の実技に合格するためのポイントの3つには「正しい剣道の足をする」があります。
先ほども紹介したとおり、剣道は「気剣体の一致」が大切です。
剣道の足ができずに打った打突は、1本とは認められません。
また、踏み込まずに打った打突も1本にはなりません。
つまり、正しい剣道の足からしっかりと踏み込んだ打突をすることが初段の実技審査に合格するために大切です。
足さばきについては、「剣道の足さばきの種類とは?練習と説明方法も解説【脱・初心者】」で紹介していますので合わせて読んでみてください。
【 4 】残心を示して1本を打ちきる
剣道初段の実技に合格するためのポイントの4つには「残心を示して1本を打ちきる」があります。
剣道の打突は残心を示すまでが1つの技だからです。
試合でも残心のない打突は1本には認められませんし、審判が旗を挙げたあとに残心がなかったことが分かった場合には、取り消しになります。
このように、剣道では残心がない打突は1本になりません。
初段の実技審査でも打突をした後は必ず残心を示すことが大切なので、日頃の稽古から習慣をつけておきましょう。
初段の日本剣道形に合格するための4つのポイント
剣道初段の日本剣道形に合格するためには、4つのポイントを知っておくことが大切です。
剣道形のポイント
- 大きな声で発生をする
- 剣道形の流れを覚える
- ゆっくりと大きく正しくやる
- 間違えたときは挙手をしてやり直す
初段の形審査では、大きな声が出せているか、剣道形の流れを理解しているかが重要です。
繰り返しになりますが、初段の合格基準は基本ができていることです。
剣道形の基本を押さえておけば問題なく合格することができます。
【 1 】大きな声で発生をする
剣道初段の実技に合格するためのポイントの1つには「大きな声で発生をする」があります。
声を出すことは、声が出ない病気ではない限り誰にでもできることだからです。
剣道形には、打太刀であれば「ヤー」、仕太刀であれば「トー」という、かけ声があります。
この発声をするときには、しっかりと大きな声を出すことが大切です。
実技審査でも大切になる「充実した気勢」ですね。
しっかりと大きな声を出して、初段にふさわしい気持ちをもっていることをアピールしましょう。
【 2 】剣道形の流れを覚える
剣道初段の剣道形に合格するためのポイントの2つには「剣道形の流れを覚える」があります。
剣道形の審査なので、流れを覚えていないのは問題外になってしまいますよね。
初段では日本剣道形の1本目〜3本目までやるのが一般的ですが、細かいところまで知らなくても一連の流れができれば問題ないです。
最後まで間違えずにやることができれば、問題なく合格できます。
剣道の理合と呼ばれるところまでできなくても、間違えずに最後までできるように流れを覚えておきましょう。
【 3 】ゆっくりと大きく正しくやる
剣道初段の剣道形に合格するためのポイントの3つには「ゆっくりと大きく正しくやる」があります。
剣道形は、ゆっくりとした動きで動作を大きくすると堂々とかっこよく見えるからです。
ゆっくり大きくやれば、間違えにくくなります。
もちろん、小さくやるところ、少し早足になるところはありますが、それ以外はゆっくり大きくやるようにしましょう。
たとえば、1本目の相上段も大きく堂々と見せる必要がありますし、2本目で仕太刀が打太刀の小手を抜くところも大きく抜くことが大切ですね。
このように、ゆっくりと大きく間違えないようにやることで剣道形は充分に合格することができます。
【 4 】間違えたときは挙手をしてやり直す
剣道初段の実技に合格するためのポイントの4つには「間違えたときは挙手をしてやり直す」があります。
間違えてしまったときにやり直さずに続けてしまうと「剣道形を覚えていない」と思われてしまうからです。
間違えてしまったときは、審査員の方を向いて手を挙げて間違えたことを伝えます。
やり直すときは、間違えてしまった本数の最初からやり直すようにします。
たとえば2本目の途中で間違えてしまったときは、手を挙げて申告し、互いに9歩の間合いに戻ります。
そして2本目の頭からやり直すようにしましょう。
初段の剣道形の審査は、1回間違えたくらいで不合格になることはありません。
間違えてしまっても焦らずに、しっかりと手を挙げて申告してやり直すようにしてくださいね。
初段の筆記試験に合格するための3つのポイント
剣道初段の筆記試験に合格するためには、3つのポイントを知っておくことが大切です。
筆記試験のポイント
- 自分の考えや経験を書く
- 空白を残さないようにする
- 剣道の知識を身につけておく
筆記試験は、どうやって書いたら良いか分かりませんよね。
本やインターネットで調べて書くと思いますが、「他の受審者も同じように書いてくる」のです。
あなたが書く筆記試験の内容を他の受審者の解答より良いものにするためには「自分の考えや経験を書く」ことがとても重要で、これができるだけで筆記試験には合格できます。
自分の考えや経験を書くメリットは他にもあり、文字数を増やすことができます。
筆記試験では、指定された用紙の80%以上は記入しないといけません。
解答用紙の80%以上を書くためには、問題に対する答えに加えて自分の意見や体験を書く必要があります。
審査によっては先生から記入した内容に対して質問されることもありますので、その質問に答えられるように、日頃から剣道の知識を身につけておくことが大切です。
【 1 】自分の考えや経験を書く
剣道初段の筆記試験に合格するためのポイントの1つには「自分の考えや経験を書く」があります。
自分の考えや経験を書くだけで、他の受審者と違う内容にすることができますし、文字数を増やすことができるからです。
たとえば「使ってはいけない竹刀とは?」という問題が出たとしましょう。
このときただ単に、「ささくれがある」とか「中結が緩くなっている」と書くだけでは用紙に空欄が多くなりますし不十分です。
答え方の例としては、
使ってはいけない竹刀は、ささくれがあったり、中結が緩くなっている竹刀です。理由は、相手にケガをさせてしまうからです。私が稽古しているときにも、目にゴミが入りそうになり、相手の竹刀を確認したらささくれがありました。目に入っていたら、ケガをしていたかもしれません。
というように書くことで、用紙いっぱいを使ったあなただけの解答を書くことができるようになります。
【 2 】空白を残さない
剣道初段の筆記試験に合格するためのポイントの2つには「空白を残さない」ようにすることがあります。
解答用紙に空白をつくることは、充分に答えたことにはならないからです。
たとえば先ほどの「使ってはいけない竹刀」を例にしてみましょう。
ポイントは、「結論」→「理由」→「具体例」の順番に紹介することです。
文字数も増えますし、何より「分かりやすい文章」になります。
使ってはいけない竹刀は12項目あります。「竹刀が折れたり、ささくれがある竹刀」「竹に虫食いやキズがある竹刀」「先革の破れた竹刀」……です。(ここまでが結論)使ってはいけない理由は、相手にケガをさせてしまう可能性があるからです。(ここまでが理由)たとえば、竹刀が折れたり、ささくれがある竹刀を使うと相手の目に入って失明してしまうかもしれません。先革の破れた竹刀は、先革から竹刀が飛び出て相手の面の中に入りケガをさせる可能性があります。(ここまでが具体例)このように、使ってはいけない竹刀は相手にケガをさせてしまう可能性があるので、竹刀の点検を欠かさずにすることが大切です。(まとめ)
このように書けば、文字数も多くなるので空欄を残さずに書けます。
ぜひ実践してみてくださいね。
【 3 】剣道の知識を身につける
剣道初段の筆記試験に合格するためのポイントの3つには「剣道の知識を身につける」ことがあります。
剣道の知識を身につけておくことは筆記試験に解答するために必要ですし、審査員から解答した内容について質問されることがあるので、答えることができるようにしておく必要があるからです。
筆記試験を書くために本やインターネットの内容を丸写ししただけでは、あなたの知識になっていません。
筆記試験の目的は、剣道の知識を増やすことです。
もし審査員から質問されて答えることができなければ、知識として身に付いたことにはなりません。
審査員の質問にも答えられるように、しっかりと問題に対する知識を身につけておきましょう。
先ほど紹介した「結論」→「理由」→「具体例」の順番で書くようにすると、理解も深まり自然と知識が身に付くようになるのでオススメです。
日本剣道形の初段に関わる1本目~3本目までの流れや注意点、筆記(学科)に出題されたときの解答例を別記事で紹介しています。
合わせて読んでみてください。
>> 【日本剣道形】1本目を筆記で説明しよう!ポイントや注意点を解説
>> 【日本剣道形】2本目を筆記で説明しよう!ポイントや注意点を解説
>> 【日本剣道形】3本目を筆記で説明しよう!ポイントや注意点を解説
剣道初段の審査料と登録料
剣道初段を受けるにあたり、「審査料」と「登録料」がかかります。
「審査料」については、審査を受けるだけでかかるものですので、受審者全員が払うものです。
「登録料」は、審査に合格した人だけが支払うお金です。
「審査料」と「登録料」についても、主催団体によって金額が異なります。
たとえば「大阪府剣道連盟」「茨城県剣道連盟」「兵庫県剣道連盟」で比較した場合、次のようになります。
審査料 | 登録料 | |
大阪府剣道連盟 | 3,300円 | 6,600円 |
茨城県剣道連盟 | 6,300円 | 7,400円 |
兵庫県剣道連盟 | 3,850円 | 6,600円 |
このように、主催する都道府県によって「審査料」と「登録料」は異なります。
あなたが受審しようとしている剣道連盟のホームページを参照するなどして、正確な金額を知るようにしておきましょう。
剣道初段を履歴書に書く場合の注意事項
剣道初段に合格することで、アルバイトや就職をするときに「履歴書に書こう」と思う人もいることでしょう。
履歴書に記載する場合には、次のような注意が必要です。
注意ポイント
- 趣味・特技の欄に書く
- 正式名称で書く
剣道の段位は、「資格」ではなく「趣味・特技」の欄に記入するのが一般的です。
また「剣道初段」と書くのではなく、「全日本剣道連盟 剣道初段」と正式名称で書くようにしましょう。
詳しくは「剣道の段位を履歴書に書くときの書き方|得たものをアピールしよう!」で紹介していますので、合わせて読んでみてください。
まとめ
今回は、剣道初段の「筆記試験」「実技」「剣道形」に合格するためのポイントを紹介してきました。
この記事で紹介した内容を最後にもう1度まとめておきます。
筆記試験のポイント
- 自分の考えや経験を書く
- 空白を残さないようにする
- 剣道の知識を身につけておく
実技のポイント
- 礼法を大切にする
- 充実した気勢を出す
- 正しい剣道の足をする
- 残心を示して1本を打ちきる
剣道形のポイント
- 大きな声で発生をする
- 剣道形の流れを覚える
- ゆっくりと大きく正しくやる
- 間違えたときは挙手をしてやり直す
初段の合格率は90%ほどなので、心配せずにしっかりと稽古を積んで望むようにしましょうね。