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剣道の二刀流とは?竹刀や高校生の規定などルールはどうなっている?

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剣道には2本の竹刀で戦う「二刀流」が存在ます。

しかし二刀流を実践している人は少なく、謎に包まれている部分も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「剣道の二刀流とは?竹刀や高校生の規定などルールはどうなっている?」と題して、剣道の二刀流について紹介します。

最後まで読んでいただくことで、剣道の二刀流のルールはもちろんのこと、戦い方や稽古方法まで知ることができます。

 

剣道の二刀流の歴史

二刀流を知るために、まずは歴史から紹介します。

二刀流は一刀流と同様に、日本古代から多数の流派が存在していました。

二刀流といえば、「宮本武蔵」を連想する人もいることでしょう。

宮本武蔵が、今日の二刀流の礎を築いていたり、世界中の剣士に二刀流が親しまれるきっかけになったりしていることは間違いありません。

宮本武蔵は、戦国時代から江戸時代を生き抜いた大剣豪です。

宮本武蔵が実践していたのは、右手に大太刀、左手に小太刀を持つ剣術「二天一流」と呼ばれる二刀流の流派です。

宮本武蔵が実践していた流派「二天一流」の指南書とされる「五輪書」が当時の日本に広まり、二刀流だけでなく、その他の剣術の歴史にも大きな影響を与えたとされています。

宮本武蔵が開いたとされる「二天一流」は今でも存在し、「武蔵会」という名前の道場があります。

「二刀流を生で見てみたい!」「二刀流を学びたい!」という人は、武蔵会に行ってみてはいかがでしょうか。

参考>>特定非営利活動法人 二天一流 武蔵会

 

日本剣道に二刀流が少ない理由

かつての日本では、一刀流と同様に多数の流派が存在していた二刀流。

今では国内で二刀流を見かけることが珍しく、海外の剣士に二刀流を実践する人が多く見られます。

海外では、日本の文化を学ぶ中で剣道に出会い、剣道を始める人が多いようです。

海外の人が剣道を知るきっかけには、やはり宮本武蔵が関係していることが多く、宮本武蔵が二刀流を実践していたことから、「剣道=二刀流」というイメージを持ち、二刀流として剣道を始める人が多いようです。

日本は道場も多く、学校にも剣道部があるなど、「剣道」という武道は身近な存在ではないでしょうか。

日本では、昭和初期の学生剣道で二刀流を引き分け要因として出場させる手段が横行したこともあり、二刀流を禁止する時期がありました。

しかし「二刀流」という伝統が途絶えてしまうことがないように、1992年の全日本剣道連盟のルール改正により、大学剣道以降の二刀流使用が許可され、現在に至っています。

日本では、二刀流が禁止されていた時期もあり指導者が少ないことや、子どもの頃から剣道を始めることが多いため大学生以降に二刀流に変更するのは極めて稀であることなどから、二刀流が少ないといえるでしょう。

 

剣道二刀流のルール

二刀流にはどのようなルールがあるのでしょうか。

全日本剣道連盟により取り決められているルールを紹介します。

 

年齢のルール

二刀流で試合に出場できるのは、大学生以上と定められています。

高体連(高等学校体育連盟)の申し合わせ事項にも、「二刀による試合は認めない」と明記されています。

高校生以下の場合は、稽古で二刀流を使用することはできますが、試合に出場することはできません。

 

竹刀のルール

竹刀の規程についても、一刀とは異なり、二刀流ならではの規定が定められています。

二刀流の場合の竹刀の要件は、一刀と比べて短く、かつ軽くなっています。

昔の武士が大刀と脇差し、大刀と小刀の組み合わせによる二刀流が主流であったことが関係しているでしょう。

詳しい内容については以下の画像を参照してください。

図:竹刀の基準

ちなみに二刀流で試合に出場した場合、最後まで二刀流としてやりきることになります。

たとえば、途中で竹刀にトラブルがあり、一刀のみでしか試合ができなくなってしまった場合は、その後の試合を一刀でできるわけではなく、その場で敗退となります。

「剣道試合・審判・運営要領の手引き」の中に、次のようにしっかりと明記されています。

試合中、竹刀が破損し、代えの竹刀がなければ、試合不能として、負けとする。

二刀流にとっては、大刀と小刀の両方が揃っていないといけないということになります。

 

有効打突のルール

「二刀流は小刀では一本を取れない」という認識を持っている人もいますが、実は小刀でも有効打突になる場合があります。

しかし二刀流の有効打突を小刀で得ることはルール上難しく、大刀で一本を取ることが一般的です。

小刀で有効打突を得るための条件については、『全日本剣道連盟 剣道試合・審判・運営要領の手引き』で次のように定められています。

 

小刀で1本を取るための要件

小刀での打突が有効打突になるには、大刀で相手の大刀を制している場合で、打った方の肘がよく伸び、充分な打ちで条件を満たしていることを必要条件とする。但し、つば競り合いでの小刀の打突は原則として有効としない。

 

小刀の有効打突がこのように制約されている理由についても、『全日本剣道連盟 剣道試合・審判・運営要領の手引き』の中に次のようにしっかりと明記されています。

 

メモ

剣道の文化的な観点から、慣習として二刀を認めているが、公平性や安全性の観点から制約している。

 

どのようなときでも二刀で有効打突を奪えるようなルールにしてしまっては、公平性と安全性に欠けるという配慮がされているということが分かります。

 

二刀流は最強?長所と短所とは?

日本の竹刀を使える二刀流は、一見「最強では!?」と思うところもあることでしょう。

しかし二刀流にも「長所」と「短所」があります。

ここではそんな二刀流の強みと弱みを紹介します。

 

二刀流の長所

二刀流の長所は、「攻め」と「守り」を同時にできることではないでしょうか。

一刀の場合、相手の攻撃を防いでから攻撃するためには、応じ技や返し技を使わなくてはいけません。

しかし二刀流の場合は、相手の打突を小刀で受けながら大刀で打突することができます。

さらに二刀流は見た目でも防御力が高く、いくら小刀で有効打突を取られる可能性が少ないといっても、構え合ってみると「打つ隙がない……」というような感覚になります。

このように、二刀流の長所は高い防御力を保持しつつ攻められることといえるでしょう。

 

二刀流の短所

では、高い防御力と攻撃力を兼ね揃えている二刀流がやはり最強かと言われると、そうとは言えません。

二刀流には、片手で竹刀を振るが故に、しっかりと鍛えないと打突や動きが遅くなるという短所があります。

竹刀を速く振れるから強いとは一概には言えませんが、やはり竹刀の振りが遅いことは、時として弱点となります。

また二刀流の竹刀の長さは、一刀よりも短く規程されています。

竹刀が短い分間合いが近くなることも、弱点になることがあります。

間合いが近くなる分、相手に有利な間合いを作られないように竹刀操作や足さばきを鍛えることが大切です。

 

二刀流との戦い方

二刀流を見かけること、ましてや試合で対峙することはめったにありませんが、それでも二刀流と試合をすることになった場合、どのように戦えば良いでしょうか。

ここでは二刀流との戦い方について紹介します。

 

試合の展開方法

二刀流と対峙したときに大切なポイントは次の2つです。

  • やたらと打たない
  • 大刀に集中する

はじめに、二刀流と対峙したときには、「やたらと打たない」ことが大切です。

どのように戦ったら良いか分からないからと言って、むやみやたらに打ってしまうと、二刀流の餌食となります。

深呼吸をしながら落ち着いて試合を進めるようにしましょう。

次に大切なことは「大刀に集中する」ということです。

小刀が目の前にあるために、どうしても大刀ではなく小刀が気になってしまうことでしょう。

しかし二刀流を使用する人にとっては小刀で1本を取ることは条件が厳しく、大刀で1本を取りに来ることが一般的です。

そのため、基本的は大刀に集中して対応することが勝つためのポイントです。

このように、二刀流と対峙した場合には、「やたらと打たない」「大刀に集中する」ということを念頭において試合を進めるようにしましょう。

 

二刀流に有効な技

二刀流との試合の進め方が分かったところで、「どのような技を狙えば良いか」という疑問も出てくることでしょう。

ここでは二刀流に有効な技について紹介します。

二刀流に有効な技は次の3つです。

  • 突き
  • 引き技

まず「突き」ですが、片手で上段の構えをしている二刀流は、突きを狙いやすくなっています。

相当に鍛錬されている二刀流でなければ、突きを打つ瞬間に面を打ち込める人はいないでしょう。

小刀で防がれることもあると思いますが、それでも果敢に突きを狙って試合を組み立てると良いでしょう。

次に「面」ですが、片手で上段に構える二刀流は、手を挙げていない方の面に隙ができます。

たとえば右手で上段に構える「正二刀」の場合は、相手の「左面」、あなたから見て「右面」に隙ができます。

左手で上段に構える「逆二刀」の場合は、「正二刀」と反対側に隙ができます。

このように、二刀流はその構え方に応じて左右面のどちらか一方に常に隙があり、面を狙いやすい状態となっています。

先ほど紹介した「突き」を狙うことで、相手の意識が突きを守ることに向けば上段の位置も下がり、さらに面を狙いやすくなることでしょう。

最後に「引き技」ですが、二刀流は片腕で竹刀を扱う分、「引き際」の対応速度は遅くなる傾向にあります。

さらに片腕で竹刀を扱うため、相手の体勢を崩すことに成功すればより多くの隙をつくり出すことができます。

鍔迫り合いで相手を崩し引き際を狙うことは、二刀流との試合を有利に進めるために必要になります。

二刀流と戦うときには、「突き」「面」「引き技」の3つを中心に試合を組み立てると良いでしょう。

 

二刀流の稽古

二刀流は一般的な稽古以外に、二刀流特有の稽古をする必要があります。

実際にどのような稽古をするのか紹介します。

 

竹刀の準備

二刀流の稽古を始めるにあたり、まずは竹刀を用意しなくてはいけません。

竹刀の規定でも紹介したとおり、大刀は114㎝以下となっていますが、「38」「39」の竹刀を切って自分で作っても良いのですが、114㎝以下というのは、「37」の竹刀に準じた基準になります。

「37」の竹刀であれば、自作せずにそのまま使用することができます。

自作する場合は、一般成人用の「39」を柄頭から柄革ごと6㎝ほど切り詰めると、バランスが良い竹刀ができあがります。

一般成人用の「39」では重い場合は、女性用の「38」や「39」を使用するのも良い方法です。

とはいえ、はじめて二刀流をする人が、手の内が定まらないうちに重い竹刀を使うことは、手首や肘を故障する原因になります。

まずは軽い竹刀から練習を始め、徐々に慣らしていくことをオススメします。

小刀は購入すると高価なため、自作している人が多いようです。

二刀流に挑戦しようと思っている人は、まずは小刀は自作し、続けていくようであれば購入するという方法も1つではないでしょうか。

 

二刀流の構え方

二刀流には、「正二刀」と「逆二刀」という2つの構えがあります。

「正二刀」とは、右手に大刀を持ち上段に構え、左手に小刀を持ち中段に構えます。

正二刀の足さばきは、中段のときと同様に、右足が前、左足が後ろが基本ですが、逆足としても問題ありません。

もう一方の「逆二刀」とは、左手に大刀を持ち上段に構え、右手に小刀を持ち中段に構えます。

逆二刀の足さばきは、中段のときとは反対に、左足が前、右足が後ろが基本ですが、逆足としても問題ありません。

どちらの構えを選択しても問題ありませんが、左足が前、右足が後ろとなる「逆二刀」の構えが一般的です。

 

稽古方法

稽古を通して、二刀流の大刀と小刀の役割、メリットやデメリットを理解する必要があります。

大刀には、上段に構えることで面を打たせにくくし、すべての打突を行う役割があります。

一方で小刀は、中段に構えることで相手を攻めつつ、相手の打突を防ぐ役割があります。

小刀での有効打突の基準は難しく、大刀で一本を取ることが基本になります。

 

筋力の強化

二刀流は片手で大刀を振るため、筋力強化により竹刀を素早く振れるようにすることが大切です。

一刀流と同じスピードで大刀を振れるようになれば、小刀も加わり二刀流としての最大限の効果を発揮することができることでしょう。

 

大刀の柄の持ち替え

二刀流では、大刀の柄を握る位置をずらしながら戦うことで試合を有利に進めることができます。

たとえば、一足一刀のような間合いでは、遠くまで届くように大刀を長く持つと良いでしょう。

一方で鍔迫り合いのような近い間合いでは、大刀を短く持ち、より短時間で技を出せるようにすることが必要です。

このように、二刀流では大刀の柄の持ち方を変えることでメリットを最大限に活かすことができます。

 

まとめ

今回は「剣道の二刀流とは?竹刀や高校生の規定などルールはどうなっている?」と題して、剣道の二刀流について紹介しました。

日本では学生剣道で二刀流を引き分け要因として試合に出すことが横行していた過去があり、二刀流が禁止される時代がありました。

その後に大学生以上の剣士において二刀流が解禁されましたが、大学生以上になってから二刀流に転校することは極稀であり、現在の日本では二刀流は少なくなっています。

しかし海外では、宮本武蔵の影響を受けて剣道を始める人も多く、「剣道=二刀流」というイメージから二刀流で剣道を始める人もいるようです。

二刀流と対峙したときには、「やたらと打たない」「大刀に集中する」という2つのポイントを押さえましょう。

「突き」「面」「引き技」をうまく活用して有効打突を狙うと良いでしょう。

二刀流を実践する場合は、年齢、竹刀、有効打突において一刀とは異なるルールが設けられているため、ルールをしっかりと理解することが大切です。

また二刀流は高い防御力と攻撃力があることが強みです。

独自の稽古をすることで、二刀流の強みを最大限発揮できるようにしましょう。

二刀流についてより詳しく知りたい人は、「特定非営利活動法人 二天一流 武蔵会」のホームページを参照したり、実際に足を運んだりしてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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