ルール 剣道

【まとめ】剣道のルールは意味不明!?初心者にもわかりやすく簡単解説!

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剣道を始めたばかりの人や試合観戦をしている人の中には、「剣道のルールって分かりにくい!」と感じている人もいることでしょう。

そこで今回は「剣道のルールは意味不明でおかしい?簡単解説で初心者でも分かる!」と題して、剣道のルールについて紹介します。

最後まで読んでいただくと剣道のルールが分かりますよ。

 

なぜ剣道のルールは意味不明でおかしいと感じるのか

剣道のルールを紹介する前に、剣道のルールが「意味不明でおかしい!」「わかりにくい!」と言われやすい理由について、少しだけ紹介します。

剣道は勝敗を優先するスポーツと違い、人間形成を目的とした武道です。

スポーツは万人が参加しやすく分かりやすいことが求められますが、武道は心身の鍛錬がメインになります。

剣道は武道である要素が強いために、初心者や観戦目的の人にとってはルールが分かりにく、「意味不明」「おかしい」「わかりにくい」と感じやすくなっています。

 

剣道の試合における基本ルール

まずは剣道の試合における基本ルールを紹介します。

ここで紹介している内容だけ読んでもらえれば、剣道の試合のおおまかな流れや内容、勝敗の決し方が分かります。

剣道の試合は、一辺を約9~11mとした正方形または長方形の中で行われます。

試合には時間制限があり、その時間内で3本勝負を行います。

3本勝負のため、先に2本先取した方が勝ちとなります。

どちらかが1本先取した状態で制限時間になった場合は、「一本勝」となり、1本先取している人が勝者です。

お互いに1本も取得せず制限時間になった場合は、個人戦においては時間無制限の延長戦、団体戦においては引き分けとなります。

審判は主審が1人、副審が2人の計3名います。

3名の審判のうち、2名以上の旗が上がれば1本となります。

1名だけが旗を上げ、他2名の審判が判定を棄権した場合も1本と認められます。

2名が赤、1名が白に旗を上げた場合は、赤の1本となります。

竹刀で相手の「面」「小手」「胴」「突き」を打突することで1本と認められます。

以上が剣道の試合における基本ルールとなります。

試合のルールは大会によって異なるので、次からはより詳しく説明していきます。

もっと深く剣道のルールについて知りたい人は、続きを読んでみてくださいね。

 

剣道の試合の流れ

選手は左手に竹刀を持って試合場に入ります。

試合場に入ったら、お互いに合わせて立礼をします。

お互いに立礼をしたら3歩前に進み、試合場の中央にある開始線まで進みます。

開始線まで来たら抜刀して蹲踞します。

蹲踞とは、抜刀したまましゃがむことをいいます。

審判の「はじめ」の合図で立ち上がり試合開始となります。

試合が終了したときには、お互いに開始線まで戻ります。

お互いに蹲踞して納刀します。

納刀したら立ち上がり、お互いに後ろに下がってから合わせて立礼をします。

立礼をしたら、後ろ向きのまま下がり試合場から出ます。

試合場から出るまで決して相手に背中を向けないところも、剣道の面白さですね。

 

剣道の一本!有効打突のルール

剣道の初心者や観戦者にとって、「どうしたら一本になるの?」というのは最も知りたい部分なのではないでしょうか。

剣道では、一本になる打突のことを「有効打突」といいます。

有効打突については、剣道試合・審判規則の第1偏、第2章、第2節「有効打突」第12条の中で次のように説明されています。

有効打突は、充実した気勢、適正な姿勢をもって、竹刀の打突部で打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。

「充実した気勢」とは、簡単に言ってしまえば相手を威圧、圧倒するような「大きな声」「気迫」のことです。

さらに、打突するときには打突部位を声に出して「メン!」「コテ!」と言わなければいけません。

まぐれではなく、狙って打っていることを示すためにも必要なことです。

「適正な姿勢」とは、剣道における竹刀の持ち方、打ち方、足の使い方などが正しい形になっていることです。

「竹刀の打突部」とは、竹刀の先端から4分の1部分のことをいいます。

「打突部位」とは、相手の「面」「小手」「胴」「突き」をいいます。

「刃筋正しく」とは、竹刀は刀のかわりですので、相手を打つ向きが決まっています。

竹刀には剣先から柄(持ち手部分)に向かって「弦(ツル)」と呼ばれる紐が張られています。

弦がある方が上になり、弦がない方が、刀でいう刃の部分、つまり相手を打突する部分となります。

よって、相手の面を打つときには弦が上を向いていることが「刃筋正しい」ということです。

「残心」とは、自分が打った後でも、いつ相手に攻撃されても反撃できるような姿勢、気持ちでいる状態のことをいいます。

打突の最後に残心がないことで、1本が取り消しになることもしばしばあります。

まとめると、「剣道の1本とは、相手を圧倒するような大きな声を出し、正しい竹刀の持ち方、打ち方、足の使い方をしながら、相手の「面」「小手」「胴」「突き」を竹刀の剣先から4分の1の部分を使って声を出しながら刃筋正しく打ち、打ったあとにも油断を見せない姿勢であること」ということです。

試合を観戦していると、「今の当たってたよね?」ということもよくあります。

剣道では、「当たっているから1本」ということはありません。

1本の打ちの中に、上記の条件が揃って初めて有効打突、1本として認められます。

スポーツではなく武道である剣道らしい有効打突のルールではないでしょうか。

 

剣道の試合時間のルール

「剣道の試合における基本ルール」の中でも紹介したとおり、剣道の試合には制限時間が設けられています。

全日本剣道連盟の剣道試合・審判規則には「5分を基準とし、延長の場合は3分を基準」と記載されています。

しかし実際のところは、大会ごとで決められた制限時間が採用されています。

剣道の大会は、全日本剣道連盟の試合・審判規則・細則、そして大会ごとの「申し合わせ事項」によって運営されています。

この「申し合わせ事項」の中で、「今日の試合は○分でやりましょうね」ということが決められているのです。

一般的には以下のような時間設定が採用されています。

  • 小学校低学年から中学年は2分
  • 小学校高学年から中学生は3分
  • 高校生から大学生は4分
  • 一般は5分

とはいえ、先ほども紹介したとおり大会の申し合わせ事項によって制限時間は異なります。

たとえば毎年日本武道館で開催される「全日本剣道選手権大会」では、準々決勝までの試合時間は通常の5分、準々決勝以降は10分と倍の時間になります。

準々決勝以降が10分になるのは、全日本剣道選手権大会の申し合わせ事項ということになります。

このように、剣道の試合時間のルールは剣道試合・審判規則で決められてはいるものの、大会ごとに決められた試合時間が採用されています。

 

剣道の試合形式のルール

剣道の試合形式には、大きく分けて「個人戦」と「団体戦」があります。

「個人戦」はイメージしやすいかもしれませんが、「団体戦」に関してはいくつかの形式に分かれています。

ここでは、「個人戦」と「団体戦」のそれぞれのルールについて紹介します。

 

個人戦

試合形式にはトーナメント形式とリーグ形式がありますが、個人戦にはトーナメント方式が採用されることが一般的です。

個人戦は、大会ごとに定められた制限時間内に1対1で3本勝負を行います。

先に2本先取した選手が勝ちとなり、制限時間内に片方の選手が1本取得していた場合は、1本取得している選手が勝利となります。

制限時間内にどちらも1本を取得していない、もしくはお互いに1本ずつ取得している場合は、時間無制限の延長戦に突入します。

個人戦は勝敗を決するまで試合が行われます。

 

団体戦

団体戦は個人戦とは違い、多様な試合形式が存在ます。

ここでは団体戦の試合形式について深堀りして紹介します。

 

トーナメント形式とリーグ形式

団体戦の試合形式には、トーナメント形式とリーグ形式があります。

トーナメント形式の場合は、チーム対抗で試合を行い、勝ったチームが次のコマへ進むことができます。

リーグ形式の場合は、同じリーグにいるすべてのチームと試合を行い、勝数が最も多いチームが次のトーナメント形式に進むことができます。

 

1チームの人数

団体戦の1チームの人数は、3人制、5人制、7人制、9人制と様々です。

勝敗を決める都合上、1チームの人数を奇数をすることが一般的です。

全員のポジションに名前がついていて、5人制の場合は、最初に試合をする人から順番に、「先鋒」「次鋒」「中堅」「副将」「大将」と呼ばれます。

3人制の場合は、「先鋒」「中堅」「大将」となり、7人制の場合は「先鋒」「次鋒」「五将」「中堅」「三将」「副将」「大将」となります。

人数が増えても最初に試合を行う選手が「先鋒」、2番目が「次鋒」、真ん中が「中堅」、最後から2番目を「副将」、最後が「大将」と呼ぶことはかわりありません。

その他の選手は、「大将から数えて何番目か」ということで呼び名が決まります。

先ほどの7人制の場合、「三将」と呼ばれる選手は、大将から数えて3番目にいます。

そして「五将」の選手は、大将から数えて5番目に位置しています。

このように、5人以上の選手で1チームが編成されているときには、大将から数えて何番目かを考えることで呼び名が分かるということになります。

参考

・3人制
先鋒 中堅 大将
・5人制
先鋒 次鋒 中堅 副将 大将
・7人制
先鋒 次鋒 五将 中堅 三将 副将 大将
・9人制
先鋒 次鋒 六将 五将 中堅 四将 三将 副将 大将

 

対勝負と勝抜き戦

団体戦には、「対勝負」と「勝抜き戦」があります。

対勝負は、先鋒同士、次鋒同士というように順番に試合をしていきます。

制限時間内に勝敗が決しない場合は「引き分け」となり、次の選手が試合をします。

大将同士の試合が終わったときに、勝者数が多いチームの勝利となり、勝者数が同数の場合は、取得本数が多いチームが勝利となります。

取得本数も同数の場合は、各チーム1人を選び、時間無制限1本勝負の代表戦により勝敗を決します。

抜き戦は、先鋒同士で試合をし、勝ったチームの先鋒は、相手チームの次鋒を勝負をします。

制限時間内に勝敗が決しない場合は、「引き分け」となります。

たとえばAチームの先鋒とBチームの次鋒が戦っていて引き分けになった場合は、Aチームの次鋒とBチームの中堅が次に試合をします。

勝抜き戦は、相手の大将を先に倒したチームの勝ちとなります。

先鋒1人が全員に勝ってしまうこもあったり、反対に大将が全員に勝ちピンチを救うこともあったりと、勝抜き戦はとても盛り上がります。

このように、剣道は大会によって「対勝負」と「勝抜き戦」があるところも面白いところです。

 

剣道の反則のルール!ガッツポーズも禁止

安全に競技を行うために、剣道にも反則のルールが設けられています。

ここでは剣道の反則のルールについて紹介ます。

剣道の反則は、剣道試合・審判規則の中で次のように大きく3つに分けられています。

  • 【禁止物質の使用・所持】
    禁止物質を使用もしくは所持し、または禁止方法を実施すること
  • 【非礼な言動】
    審判員または相手に対し、非礼な言動をすること
  • 【諸禁止行為】
    試合者が、次の各号の行為をすること
    定められた以外の用具(不正用具)を使用する
    相手に足を掛けまたは払う
    相手を不当に場外に出す
    試合中に場外に出る
    自己の竹刀を落とす
    不当な中止要請をする
    その他、この規則に反する行為をする

 

上記のような禁止行為をした場合、失格もしくは反則となります。

反則の場合は、2回行うと相手に1本が入ります。

つまり反則を4回した場合は相手に2本与えることになるので、その場で負けとなります。

1回の反則であれば勝敗に影響はありませんが、2回以上は勝敗を左右することになるので注意が必要です。

ここでは、それぞれの禁止行為についてもう少し詳しく説明します。

 

禁止物質の使用・所持

禁止物質の使用・所持については、いわゆくドーピング等のことをいいます。

 

非礼な言動

サッカーや野球でも審判に暴言等を言うと退場になるのと同様に、剣道でも失格となります。

また「ガッツポーズ」も相手に対する非礼な言動に該当します。

ガッツポーズをする場面としては、1本を取ったときです。

1本取得した嬉しさのあまりガッツポーズをしてしまうと、反則にはならないものの、取得した1本が「取り消し」となります。

スポーツではなく武道である剣道ならではの厳しいルールかもしれませんね。

 

諸禁止行為

諸禁止行為には次のようなものがあり、1つずつ深堀りして紹介します。

  • 定められた以外の用具(不正用具)を使用する
  • 相手に足を掛けまたは払う
  • 相手を不当に場外に出す
  • 試合中に場外に出る
  • 自己の竹刀を落とす
  • 不当な中止要請をする
  • その他、この規則に反する行為をする

 

定められた以外の用具(不正用具)を使用する

不正用具としてよくあるのが「竹刀」です。

剣道では、大会によって試合前に竹刀の計量が設けられることがあります。

計量に合格した竹刀のみ、その日の試合で使用することができます。

竹刀は、全日本剣道連盟の剣道試合・審判規則および細則により「長さ」「重さ」「太さ」について次のような基準が設けられています。

 

図:竹刀の基準

 

上記の基準をもとに計量を行い、基準を満たした竹刀のみ使用することができます。

計量がない大会でも基準は同様であり、試合中に審判が目で見て判断しています。

竹刀の不正で多いのは、「重さを調整する行為」です。

竹刀は4本の竹で組まれているため、その中に鉛や硬貨を入れることで重さを調整する行為が見受けられます。

試合中に打った衝撃で竹刀が変形し、中から鉛や硬貨、詰め物が飛び出して発覚することもしばしばあります。

 

相手に足を掛けまたは払う

相手に足をかけたり払う行為も禁止されています。

足をかけて倒すような行為は正々堂々とはいえないからです。

とはいえ一般的なルールでは禁止されていますが、警察官同士の試合では例外となっています。

警察剣道には専用のルールが設けられているため、足をかける行為は反則とみなされません。

警察剣道の足かけについては以下の記事で取り上げていますので合わせて読んでみてくださいね。

>>剣道の足払いのルールとは?警察官なら反則じゃないって本当?

 

相手を不当に場外に出す

剣道の試合場は各辺9〜11メートルの正方形もしくは長方形と定められています。

試合場から出ると反則になりますが、相手を無理矢理出すことだけを目的とした押し出しは、押し出した選手の反則となります。

たとえば、技を出した勢いで相手に体当たりをし、その勢いで相手が場外に出た場合は、相手の反則となります。

しかし鍔迫り合いなどの膠着した状態から相撲のように相手を無理やり押し出したとすると、それは押し出した選手が相手を不当に場外に出したと見なされ、反則に該当します。

反則欲しさに押し出すことは、かえって自分が反則となります。

 

試合中に場外に出る

自分が場外に出ることも反則となります。

意図的に場外に出ることができると、正々堂々と勝負することができないからです。

たとえば相手に打たれる可能性があるときに意図的に場外に出ることができると、いつまでも勝負が決まりません。

また打った技の勢いで自分が場外に出てしまっても反則となります。

このように、意図的に場外に出ることは反則行為に該当します。

 

自己の竹刀を落とす

試合中に竹刀を手放すことが許されれば、何でもありになってしまいます。

剣道が竹刀を用いる競技である以上、手放すことは反則となります。

 

不当な中止要請をする

選手は試合中に片方の手を挙げて「タイム」を要請することができます。

たとえば試合中に竹刀が割れていることに気が付いたり、防具の紐が解けてしまったことに気が付いた等、安全に配慮したタイムの要請は認められます。

しかしいつ何時でもタイムを要請することを認めてしまうと、自分がピンチのときにタイムを使うことが認められてしまい、正々堂々とした勝負とはいえません。

このように、不当な中止要請についても反則となります。

 

その他、この規則に反する行為をする

剣道では、次のようなことも反則とみなされます。

  • 相手に手をかけまたは抱え込む
  • 相手の竹刀を握るまたは自分の竹刀の刃部を握る
  • 相手の竹刀を抱える
  • 相手の肩に故意に竹刀をかける
  • 倒れたとき、相手の攻撃に対応することなく、うつ伏せなどになる
  • 故意に時間の空費をする
  • 不当なつば(鍔)競り合いおよび打突をする

この中でも特に、「故意に時間の空費をする」と「不当なつば(鍔)競り合いおよび打突をする」の2つに関しては、よく目にする反則行為です。

時間空費に関しては、既に1本取得していて、そのまま制限時間まで逃げ切れば勝利できる場面や、団体戦で自分が相手に打たれなければ勝利できる状況などでよく見かけます。

意図的に時間を消費することは正々堂々とはいえないため、反則となります。

剣道の鍔迫り合いとは、お互いの鍔と鍔を重ねて競り合うことで相手を崩したり技を出す隙を作ったりするものです。

不当な鍔迫り合いでは、相手の首元に竹刀をかけたり、小手で相手の鍔を上から押さえたりして技を出せないようにする行為が見られます。

このような行為は不当な鍔迫り合いとみなし反則となります。

 

まとめ

今回は「剣道のルールは意味不明でおかしい?簡単解説で初心者でも分かる!」と題して、剣道のルールについて紹介してきました。

剣道のルールは複雑ではありますが、ルールを知ることでより一層楽しめることでしょう。

剣道は武士道ですので、「正々堂々ではない行為は反則となる」と考えると、反則に関する理解が進むように思います。

初心者の人は剣道のルールを知ることでさらに上達することでしょう。

観戦目的の人はより一層楽しく観戦してくださいね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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