剣道に欠かせない道具の1つである「竹刀」。
級審査には学科(筆記)試験がありますが、「竹刀の名称を答えよ」という内容の問題が出ることがあります。
つまり剣道をしている者にとって、竹刀の名称は知っているべきものだということです。
とはいえ、竹刀の名称を正しく理解していないという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、剣道で使う竹刀の名称や持ち方について紹介します。
竹刀の名称
竹刀は色々な部分から出来ていて、それぞれに名称があります。 こちらの図を見てください。
これだけ呼び名がありますね。 竹刀は「武士の命」と言われますからね。 しっかりと名称を覚えておきましょう。
鍔の豆知識
剣道をしていて、なぜ鍔ってあるの?と思ったことある人はいませんか?
鍔は小手を守るためについてるの?
鍔邪魔じゃない?
と思う人もいるかもしれませんね。
日本刀にも同じように鍔がついていますが、日本刀の鍔は拳を守るためについています。
日本刀から進化してきた竹刀にも、同じように鍔がついたということになります。
鍔が大きくなれば大きくなるほど、小手への有効打突が奪えなくなってしまいますよね。
そのため、直径は9㎝以下という規定が設けられています。
竹刀の打突部分
竹刀の打突部分は、剣先から中結までの部分です。
この部分を「物打ち」といいます。
物打ちの部分で打突することで、有効打突と判断されます。
竹刀の持ち方
基本とされているのは、右腕を真っすぐ伸ばし、肘の裏に竹刀の柄頭を置き剣先を天井へ向けます。
そのまま右手で竹刀を握ったときに、右手の人差し指が鍔に触れる程度の柄の長さがちょうど良いとされています。
右手は力を入れず、添える程度で握ります。
左手は、手の平にある少しくぼんだ部分(真ん中あたり)に柄頭を置くように握ります。
そして、小指と薬指で握るようにし、他の指は添える程度で握ります。
柄革の中心には縫い目がありますが、その縫い目が右手と左手の親指と人差し指の間を通るように握りましょう。
木刀から竹刀に変わった理由
今は竹刀を使っていますが、その前は木刀を使用して稽古をしていました。
竹が使用されるようになったのは、日本には竹も多く、竹を使用した工芸が盛んであったことも関係していますね。
竹の材質から、木刀よりも安全性が高いのも使用されるようになった理由の1つです。
竹刀に使用されている竹の種類
竹刀に使用されている竹の種類は大きく分けると2つあります。
竹刀の竹の種類
- 真竹(国産)
- 桂竹(外国産)
剣道具屋さんで竹刀を購入するときに、「真竹」という表記を見たことがありますか?
真竹の竹刀は、他の竹刀と比べると高価です。
真竹の方が高価なのは、国産であることや、国内の竹産業が減退しているために海外に頼らざるを得ない部分があるのも理由です。
真竹は桂竹よりも弾力性が良いとされています。
竹刀の作られ方
竹刀がどのように作られているかご存知ですか?
竹刀は、竹の生え際部分が使用されています。
3年以上育った竹を伐採して、それからさらに2年以上も陰干ししてから作ります。
実は、この段階で防虫防カビの処理もされているんですよね、。
私は、昔竹刀を腐らせた経験がありますが…。
それから、竹を割っていき組み合わせる4本を作成していきます。
それぞれの竹が合うように面取りなどを繰り返して製作されていきます。
竹刀を製作する工程に「矯め(ため)」と呼ばれるものがあります。
自然の竹って曲がったり歪んだりしていますよね。
矯めの工程では、熱を加えてこの曲がりや歪みを解消していきます。
この工程がうまくいっていない竹刀は割れたりささくれたりしやすくなると言われています。
竹刀についているSSPシールの意味は?
竹刀にSSPというシールがついていませんか?
ついていない竹刀を使っている人は、その竹刀は注意が必要です。
SSPシールは、2007(平成19)年からついています。
これは、全日本剣道連盟が定めた規格をクリアしている竹刀であるという印です。
そして、このシールはただの品質保証ではないんです。
1つ1つシリアルナンバーがついています。
つまり、品質を疑うようなことが竹刀に起こった場合、どこで製造された竹刀か分かるようになっています。
このシールがついていれば、安心して竹刀を使うことができますね。
まとめ
稽古や試合の中で竹刀の名称はよく出てきます。
名称を知っていないと、指導してもらうときも意味が伝わらなくなってしまいます。
竹刀は武士の命ですからね。 それぞれの名称はしっかりと覚えておくようにしましょう。
竹刀の握り方も、正しい打突をするためには必要不可欠です。
正しく握ることから始めて、正しい打突ができるように稽古していきましょう。