剣道をやっている人の中には、「組み打ち」という言葉を聞いたことがある人もいるのでないでしょうか。
- 組み打ちってなに?
と思う人もいれば、
- 組み打ちって今でもやっていいの?
と思う人もいることでしょう。
そこで今回は「剣道の組み打ちとは?過去には現代に存在しない戦い方があった」と題して、組み打ちという戦い方について紹介します。
ぜひ最後まで読んでくださいね。
剣道の組み打ちとは?
江戸時代の剣道には、「組み打ち」と呼ばれる戦い方がありました。
組み打ちとは、刀を使わずに相手と組み合って倒すことをいいます。
簡単に言えば、取っ組み合いです。
当時の剣道は戦に備えた実践的なものであり、竹刀がなければ素手で戦うという考え方でした。
たとえば相手の技によって竹刀を落したとしましょう。
現代の剣道では、竹刀を落すと審判から止めがかかり、反則となります。
しかし江戸時代の剣道では、竹刀を落しても止めがかかることはなく、そのまま素手で相手と取っ組み合い、相手の面を剥がせば勝ちになるというルールだったそうです。
このように、素手で相手と取っ組み合って戦うことを「組み打ち」と呼んだわけです。
現代剣道では組み打ちは禁止されている
現代の剣道でも、先生との稽古の中で投げ飛ばされたり面を外されたりすることもあるでしょう。
しかし試合では、「全日本剣道連盟 剣道試合・審判規則細則」の中で組み打ちが禁止であることが明記されています。
たとえば「剣道試合・審判規則」の中の第17条には、
相手に足を掛けまたは払う
という行為を反則としています。
また「剣道試合・審判細則」の中の第16条には、
相手に手をかけまたは抱え込む
ということが反則であると明記しています。
このように、相手に手をかけたり抱え込んだりして倒す組み打ちは、現代剣道のルールでは禁止されています。
とはいえ、犯人逮捕などに役立つように鍛錬している警察剣道では、足払いはアリになっています。
詳しくは「剣道の足払いのルールとは?警察官なら反則じゃないって本当?」で取り上げていますので、合わせて読んでみてくださいね。
まとめ
今回は「剣道の組み打ちとは?過去には現代に存在しない戦い方があった」と題して、組み打ちという戦い方について紹介しました。
組み打ちとは、刀を使わずに相手と組み合って倒す、いわば取っ組み合いのことを言います。
江戸時代の剣道では有効とされていましたが、相手に手をかけたり抱え込んだりして倒す組み打ちは、現代剣道のルールでは禁止されています。
そういう意味では、現代剣道では剣道本来の姿から形を変えてきたということがいえるでしょう。