剣道の打突部位には、面・小手・胴・突きがあります。そして打突部位を狙うためには技を出さなくてはいけません。
剣道の技には「しかけ技」と「応じ技」の2つがありますが、今回は「応じ技」についての話をします。
剣道の応じ技には様々な種類があり、どれも難易度が高い技とされています。稽古や試合で応じ技を決めると、なんともいえない爽快感があります。
しかしながら難易度が高いだけあり、簡単に打つことができません。
「応じ技が打てるようになりたい!」と考えている人は、
- 応じ技にはどのような種類があるのだろう
- 応じ技のコツってなんだろう
- 応じ技ってどうやって練習するのだろう
という悩みを抱えているのではないでしょうか。
応じ技は昇段審査の学科試験にも出題されることがあるため、
- 応じ技について説明できるようになりたい
と思っている人もいることでしょう。
そこで今回は「剣道の応じ技のコツと練習方法を種類別に解説|学科で説明するときの例文も紹介」と題して、高難易度の応じ技について紹介します。
最後まで読むことで、応じ技が打てるようになるだけでなく、きちんと説明できるようになることでしょう。
ぜひ最後まで読んでくださいね。
目次
剣道の応じ技は4種類
応じ技とは、相手の力を利用して打突をする技のことをいいます。つまり、相手の動きに応じて出す技が、応じ技ということになります。
相手の技に応じる方法には、「抜く」「すり上げる」「返す」「打ち落とす」という4つがあります。
よって、応じ技は大きく分けると、
- 抜き技
- すり上げ技
- 返し技
- 打ち落とし技
の4種類があるということになります。
さらにそれぞれの技の中に、様々な技が存在しています。
抜き技には、
- 面抜き面
- 面抜き小手
- 面抜き胴
- 小手抜き面
- 小手抜き小手
の5つがあります。
すり上げ技には、
- 面すり上げ面
- 面すり上げ小手
- 面すり上げ胴
- 小手すり上げ面
- 小手すり上げ小手
- 突きすり上げ面
の6つがあります。
返し技には、
- 面返し面
- 面返し胴
- 面返し小手
- 小手返し面
- 小手返し小手
- 胴返し面
の6つがあります。
打ち落とし技には、
- 面打ち落とし面
- 胴打ち落とし面
- 小手打ち落とし面
の3つがあります。
すべて合わせると、20種類の応じ技があるということになります。
剣道の応じ技のコツ
応じ技にどのような種類があるかが分かったところで、今度は応じ技を打つときのコツについて紹介します。
応じ技は相手の動きに応じて出す技です。まずはしっかりと相手の動きを見ることが大切です。
それでは、20種類の応じ技について、1つずつコツを紹介していきます。
抜き技のコツ
抜き技は、相手の打突に対して体を「引く」か「開く」ことによって相手に空振りをさせることが大切です。
相手が空振りをした後には隙ができるので、その隙をすかさず打つようにしましょう。
それでは、先ほど紹介した5つの抜き技のコツを紹介していきます。
面抜き面のコツ
まずは、体を引いて打つ面抜き面のコツを紹介します。
体を引いてから打つ面抜き面は、相手が面を打ってきたときに左足から下がりながら竹刀を振りかぶり、相手が空振りした瞬間に面を打つ技です。
体を引いてから打つ面抜き面のコツは、
- 相手が面を空振りするようにしっかりと下がる
- すぐに打てるように下がりながら振りかぶる
- 相手が空振りしたらすかさず打つ
ということです。
しっかりと下がらないと、相手の竹刀が自分に当たってしまうため、自分が面を打ちにいくことができなくなってしまいます。
また、せっかく上手に抜けたとしても、打つまでに時間がかかってしまうと相手が防御できる体勢に戻ってしまいます。
すぐ打てるように下がりながら振りかぶっておくようにしましょう。
そして、すぐ打てるように下がりながら振りかぶっていても、すぐに打たなければ相手の体勢は整ってしまいます。相手が空振りしたら、すかさず相手の面を打つことが大切です。
続いて、体を開いて打つ面抜き面の打ち方のコツを紹介します。
体を開いてから打つ面抜き面は、相手が面を打ってきたときに、右足を右斜め前に出して体を開き、相手とすれ違う瞬間に面を打つ技です。
体を開いてから打つ面抜き面のコツは、
- 右足を小さく右斜め前に出す
- 右斜め前に体を開いたらすぐさま面を打つ
ということです。
右足を右斜め前に大きく出してしまうと、相手も前に出てきているために間合いが近くなってしまいます。
体を開くために足を出すだけなので、相手の面をかわせるだけの歩幅で良いということです。
そして、体を開いたらすぐさま相手の面を打ちましょう。先ほどと同様に、相手も前に出ているのですぐに打たないと、相手が抜けていってしまいます。
体を開くときには「開き足」を活用しましょう。
開き足については「【脱・初心者】剣道の足さばきの種類とは?練習と説明の方法も解説」でも紹介していますので参考にしてくださいね。
以上が面抜き面を打つときのコツです。
面抜き小手のコツ
続いて、面抜き小手のコツを紹介します。
面抜き小手は、相手が面を打ってきたときに左足を左に出して体を開くと同時に振りかぶり、相手が面を空振りした瞬間に右足を前方に出しながら小手を打つ技です。
面抜き小手を打つコツは、
- 小手を打つために左足を左に出して体を開く
- 体を開くと同時に振りかぶる
- 相手が空振りしたらすかさず小手を打つ
- 小手を打つときは右足を前に出す
ということです。
面抜き小手は、相手の右小手を打突する技なので、小手を打つために左足を左に出して体を開く必要があります。
そして、体を開きながら振りかぶっておかないと、相手が空振りした瞬間をすぐに打突できず、相手が体勢を整えてしまいます。
相手が空振りをしたらすかさず右小手を打ちますが、このときは右足を前に出して打突することになります。
日本剣道形6本目で仕太刀が小手を打つときの足の使い方のように体を動かしましょう。
以上が面抜き小手を打つときのコツです。
面抜き胴のコツ
続いて、面抜き胴のコツを紹介します。
面抜き胴は、相手が面を打ってくる瞬間に右足を右斜め前に出し、すかさず左足を引きつけながら胴を打つ技です。
面抜き胴のコツは、
- 右足を小さく右斜め前に出す
- 右足を右斜め前に出したらすぐに左足を引きつける
- 左足をひきつけながら胴を打つ
ということです。
右足を右斜め前に出すときに大きく出しすぎてしまうと、相手も前に出てきているために間合いが近すぎてしまいます。右足は小さく右斜め前に出すようにしましょう。
右足を右斜め前に出したらすぐに左足を引きつけないと、すかさず胴を打つことができません。
いかに左足を早く引きつけるかが、素早い面抜き胴を打てるかどうかを左右するといっても過言ではありません。左足は素早く引きつけるようにしましょう。
左足を素早く引きつけながら胴を打つことができれば、相手がどれだけ早い面を打ってきても抜くことができることでしょう。
以上が面抜き胴を打つときのコツです。
小手抜き面のコツ
続いて、小手抜き面のコツを紹介します。
小手抜き面は、相手が小手を打ってきたときに、左足から下がりながら竹刀を振りかぶり、相手に空振りをさせます。
相手が空振りをしたら、すぐさま踏み込んで面を打つ技です。
小手抜き面のコツは、
- 相手の小手打ちを抜くときに左足から下がる
- 下がりながら竹刀を振りかぶる
- 空振りさせたらすぐに打つ
ということです。
相手の小手打ちを抜きときに、その場で振りかぶってしまうと小手を打たれる確率が高くなります。
小手抜き面が得意な人、自信がある人は、その場で振りかぶって小手打ちを抜いても良いでしょう。
しかし自信がない人、これから練習していくという人は、相手の小手を抜くときに左足から下がるようにして抜くようにしましょう。
相手の小手を抜いたらすぐに打てるように、下がりながら竹刀を振りかぶっておきましょう。
そして、抜いたら相手の姿勢が整う前に面を打突することが大切です。
以上が小手抜き面を打つときのコツです。
小手抜き小手のコツ
最後に小手抜き小手のコツを紹介します。
小手抜き小手は、相手が小手を打ってきたときに、左足を左斜め後方に下げながら竹刀の剣先を下げて相手の小手打ちを抜き、相手の右小手を打つ技です。
小手抜き小手のコツは、
- 左足を左斜め後方に下げる
- 竹刀の剣先を下げて相手の小手を抜く
- 相手の小手を抜いたらすかさず右小手を打つ
ということです。
小手抜き小手は、相手の右小手を打突しなくてはいけません。
そのため、相手の小手を抜くときには左足を左斜め後方に下げることで右小手を狙いやすくしましょう。
そして相手の小手打ちを抜くときは、竹刀を振りかぶるのではなく剣先を下げることが大切です。
竹刀を振りかぶらずに剣先を下げるのは、相手の右小手をすぐに打突できるようにするためです。
相手の小手を抜いたら、すかさずこちらも小手を打つようにしましょう。
以上が小手抜き小手を打つときのコツです。
すり上げ技のコツ
すり上げ技は、相手が打ってくる竹刀を、自分の竹刀の表側または裏側ですり上げて、相手の体勢が崩れたところを打つ技です。
それでは、先ほど紹介した6つのすり上げ技のコツを紹介していきましょう。
面すり上げ面のコツ
まずは面すり上げ面のコツを紹介します。
面すり上げ面は、面を打ってくる相手の竹刀を、自分の竹刀の表側または裏側ですり上げて面を打つ技です。
面すり上げ面のコツは、
- すり上げるときは、竹刀で半円を描くようにする
- すり上げたら素早く打つ
ということです。
すり上げ技は、「受ける」のではなく「すり上げる」ことがポイントです。
すり上げるためには、半円を描くように竹刀を動かすことが大切です。
そして相手の打突をすり上げたら、すかさず面を打つようにしましょう。
以上が面すり上げ面を打つときのコツです。
面すり上げ小手のコツ
続いて、面すり上げ小手のコツを紹介します。
面すり上げ小手は、相手が面を打ってきたら、左足から斜め後ろに下がりながら、自分の竹刀の裏側を使って相手の打突をすり上げ、相手の右小手を打つ技です。
面すり上げ小手のコツは、
- 左足から斜め後ろに下がる
- 竹刀の裏側を使ってすり上げる
ということです。
小手を狙うため、左後方に下がることが大切です。
後方に下がる理由は、左横や左前に出てしまうと、相手も前に出てくるために間合いが近くなってしまうからです。しっかりと左後方に下がるようにしましょう。
そして左後方に下がるときには、自分の竹刀の右側を使って裏からすり上げることで、相手の右小手を打ちやすくなります。
以上が面すり上げ小手のコツです。
面すり上げ胴のコツ
続いて、面すり上げ胴のコツを紹介します。
面すり上げ胴は、相手が面を打ってきたら、左足から斜め後ろに下がりながら、自分の竹刀の裏側を使って相手の打突をすり上げ、相手の右胴を打つ技です。
面すり上げ胴の要領は、面すり上げ小手と同様です。
よって面すり上げ胴のコツも、
- 左足から斜め後ろに下がる
- 竹刀の裏側を使ってすり上げる
ということです。
以上が面すり上げ胴のコツです。
小手すり上げ面のコツ
続いて、小手すり上げ面のコツを紹介します。
小手すり上げ面は、小手を打ってきた相手の竹刀を、自分の竹刀の裏側を使ってすり上げ、すかさず面を打つ技です。
小手すり上げ面のコツは、
- 竹刀の裏側を使ってすり上げる
- 竹刀で半円を描くようにしてすり上げる
ということです。
相手は自分の右小手を狙ってくるので、自分の竹刀の表側ですり上げるよりも裏側を使った方がすり上げやすいです。
しかしながら、すり上げるときに竹刀を中心から左に動かしてしまうと自分の小手が打たれてしまいます。
中心から半円を描くようにすり上げることで、小手を打たれずに相手の竹刀をすり上げることができます。
以上が小手すり上げ面のコツです。
小手すり上げ小手のコツ
続いて、小手すり上げ小手のコツを紹介します。
小手すり上げ小手は、相手が小手を打ってきたときに、左足を左側に出しながら竹刀の裏側で相手の竹刀をすり上げ、右足を引きつけながら相手の右小手を打つ技です。
小手すり上げ小手のコツは、
- 左足を左側に出す
- 竹刀の裏側ですり上げる
- 右足を素早く引きつける
ということです。
小手すり上げ小手では、相手の右小手を打ちたいので、左足を横に出すことが大切です。
そして竹刀の裏側を使い相手の竹刀をすり上げ、右足を素早く引きつけながら相手の右小手を打つことがポイントです。
以上が小手すり上げ小手のコツです。
突きすり上げ面のコツ
最後に、突きすり上げ面のコツを紹介します。
突きすり上げ面は、突きを打ってくる相手の竹刀を、右足から前に出ながら自分の竹刀の表側または裏側からすり上げ、さらに前に進みながら面を打つ技です。
突きすり上げ面のコツは、
- 右足から前に出ながらすり上げる
- すり上げたらさらに前に出て面を打つ
ということです。
突きは、打突後に下がるという動作がある技です。
つまり相手は突きを打った後に後ろに下がるので、こちらは前に出る必要があるということです。
以上が突きすり上げ面のコツです。
返し技のコツ
返し技は、相手の打突をすり上げたり受けたりした後に、その力を利用して表で応じたら裏に、裏で応じたら表に返す技です。
すり上げは、表側ですり上げたら表側、裏側ですり上げたら裏側を打つため、返し技とは異なるので注意が必要です。
それでは、先ほど紹介した6つの返し技のコツを紹介していきましょう。
面返し面のコツ
まずは、面返し面のコツを紹介します。
面返し面には、相手の右面を打つ方法と左面を打つ方法があります。
相手の右面を打つための面返し面は、面を打ってくる相手の竹刀を、左足を左斜め前に出しながら竹刀の表側を使ってすり上げ、体を左に開きながら相手の右面を打ちます。
一方で相手の左面を打つための面返し面は、面を打ってくる相手の竹刀を、右足を右斜め前に出しながら竹刀の裏側を使ってすり上げ、体を右に開きながら相手の左面を打ちます。
面返し面のコツは、どちらの場合も
- 左右どちらかの足を斜め前に出す
- 体を左右のどちらかにしっかりと開く
ということです。
左右どちらかの足をしっかりと右斜め前に出して体を開かないと、相手の打突を返すことや面を打突することができません。
しっかりと開き足を使って相手の打突を返すことが大切です。
以上が面返し面のコツです。
面返し胴のコツ
続いて、面返し胴のコツを紹介します。
面返し胴は、面を打ってくる相手の竹刀を、右足を右斜め前に出しながら竹刀の表側ですり上げてから相手の胴を打つ技です。
面返し胴のコツは、
- 右足を右斜め前に出す
- 右足を右斜め前に出しながらすり上げる
ということです。
右足を少し右斜め前に出すことで、相手の体をかわす準備をすることが必要です。
そして右斜め前に出しながら相手の打突をすり上げ、すかさず胴を打つことが大切です。
以上が面返し胴のコツです。
面返し小手のコツ
続いて、面返し小手のコツを紹介します。
面返し小手は、左足から下がりながら竹刀の左側を使って面を打ってくる相手の竹刀をすり上げ、前に出ながら相手の右小手を打つ技です。
面返し小手のコツは、
- 左足から下がりながらすり上げる
- 前に出ながら右小手を打つ
ということです。
相手も前に出てきているので、1度下がって相手の打突をすり上げることがポイントです。
すり上げたら確実に打突するために、前に出ながら右小手を打つようにしましょう。
以上が面返し小手のコツです。
小手返し面のコツ
続いて、小手返し面のコツを紹介します。
小手返し面は、剣先を下げ、自分の竹刀の左側で小手を打ってくる相手の竹刀を受けてから、前に出て相手の面を打つ技です。
小手返し面のコツは、
- 剣先を下げて相手の竹刀を受ける
- 前に出て面を打つ
ということです。
相手は小手を狙ってきているので、しっかりと剣先を下げて応じるようにしましょう。
そして応じたらしっかりと前に出ながら面を打たないと、間合いが遠くなり打突が不十分になってしまいます。
以上が小手返し面のコツです。
小手返し小手のコツ
続いて、小手返し小手のコツを紹介します。
小手返し小手は、左足から左後方に下がりながら剣先を下げ、小手を打ってくる相手の竹刀を自分の竹刀の左側で応じてから、前に出ながら相手の右小手を打つ技です。
小手返し小手のコツは、
- 左足から左後方に下がりながら剣先を下げる
- 前に出ながら小手を打つ
ということです。
こちらも小手返し面と同様に、相手が小手を狙ってきているので、しっかりと剣先を下げて相手の小手打ちに応じる準備をしましょう。
そして応じたら前に出ながら小手を打つことが大切です。
以上が小手返し小手のコツです。
胴返し面のコツ
最後に、胴返し面のコツを紹介します。
胴返し面は、左足を左斜め前に出し、右足は素早く左足の後ろに引きつける開き足を使いながら、左手を顔の高さまで上げ、右手は下にして竹刀の表側を使って胴を打ってくる相手の竹刀を受け、すぐさま相手の面を打つ技です。
胴返し面のコツは、
- 開き足を使う
- 左手は顔の高さ、右手は下の形をつくる
- 胴を受けたらすぐ面を打つ
ということです。
開き足をうまく使えれば、それだけ相手の胴をうまく受けることができます。
そして受けるときには、左手を顔の高さ、右手を下にして受ける形を作ることが大切です。
受けたときにはすぐに竹刀を返して面を打てるようになるとうまく打てます。
以上が胴返し面のコツです。
打ち落とし技のコツ
打ち落とし技は、相手の打突を右下や左下に打ち落としてから打つ技です。
打ち落としながら打つ場合と、いったん打ち落としてから打つ場合があります。
それでは、先ほど紹介した3つの打ち落とし技のコツを紹介します。
面打ち落とし面のコツ
まずは面打ち落とし面のコツを紹介します。
面打ち落とし面は、面を打ってくる相手の竹刀を、打ち落として面を打つ技です。
面打ち落とし面のコツは、
- 相手の竹刀より高く上げる
- 相手の竹刀より速く振る
ということです。
相手の竹刀を打ち落とすわけですから、自分の竹刀を相手の竹刀より高く上げなくてはいけません。
そして、相手より速く竹刀を振りかぶらないと間に合わないので、相手より速く竹刀を振ることが大切です。
以上が面打ち落とし面のコツです。
胴打ち落とし面のコツ
続いて、胴打ち落とし面のコツを紹介します。
胴打ち落とし面は、左足を左に出して体を開きながら、胴を打ってくる相手の竹刀を打ち落とし、相手の面を打つ技です。
胴打ち落とし面のコツは、
- 左足から左に出て体を開く
- 前に出て面を打つ
ということです。
相手は胴を打ってくるため、左に体を開くことで打ち落としやすくなります。
体を開いた分相手との距離が遠くなるため、しっかりと前に出て面を打つことが大切です。
以上が胴打ち落とし面のコツです。
小手打ち落とし面のコツ
最後に、小手打ち落とし面のコツを紹介します。
小手打ち落とし面は、小手を打ってくる相手の竹刀を、左斜め上から右斜め下に向かって打ち落としてから面を打つ技です。
小手打ち落とし面のコツは、
- 左斜め上から左斜め下に打ち落とす
- 打ち落としたらすぐさま面を打つ
ということです。
小手を打ち落とすためには、自分の竹刀を相手の竹刀に向かって左斜め上にもっていき、そこから右斜め下に一気に打ち落とすことが大切です。
打ち落としたら、間髪入れずに相手の面を打つことで、相手の体勢が整う前に打突することができます。
以上が小手打ち落とし面のコツです。
剣道の応じ技の練習方法
ここまで、応じ技の種類やコツについて紹介してきました。
それでは、一体どのように練習すれば応じ技を上手に使えるようになるのでしょうか。
応じ技を上達させるために大切なことは、繰り返し練習することです。
応じ技を繰り返し練習するためにオススメの方法は、同じくらいの実力者と申し合わせて稽古することです。
申し合わせの稽古とは、一緒に稽古する相手に対して「面に対する応じ技を練習したいので、面を打ってきてください」とお願いをして稽古をする方法です。
この方法であれば、自分が上達したいと思う技を繰り返し練習することができます。
その他には、足さばきの練習も応じ技上達のために必要です。
応じ技を使うには、前後左右斜めへの送り足だけでなく開き足を使いこなすことが必要だからです。
足さばきの練習は、稽古時間だけでなく自宅でも行うことができます。
上達したい技の足さばきを繰り返し練習することで無意識に動けるくらいまで稽古に励むようにしましょう。
足さばきについては「【脱・初心者】剣道の足さばきの種類とは?練習と説明の方法も解説」でも紹介していますので、参考にしてください。
剣道の応じ技を説明しよう
ここまで、応じ技についてコツや練習方法も含めて紹介してきました。
応じ技に関する知識は、昇級・昇段審査でも必要とされることがあります。
そこでここでは、審査のときに「応じ技」について問われたときの答え方を紹介します。
応じ技について答えるときのポイントは次の通りです。
- 応じ技とはどのような技か
- 応じ技にはどのような種類があるか
- 応じ技の具体例
ということを書いていきましょう。
以下、模範解答を紹介します。
この記事で紹介している内容を丸写しすることは絶対にやめてください。
あくまでも参考として活用し、自分の言葉で記入してくださいね。
丸写ししたことが判明した場合は、審査は不合格になりますので気をつけましょう。
模範解答
応じ技とは、相手の力を利用して打突をする技である。応じ技には、「抜き技」「すり上げ技」「返し技」「打ち落とし技」がある。
抜き技とは、相手の打突に対して体を「引く」か「開く」ことによって相手に空振りをさせることでできた隙を打突する技である。抜き技には、「面抜き面」「小手抜き面」「面抜き胴」といった技がある。
すり上げ技は、相手が打ってくる竹刀を、自分の竹刀の表側または裏側ですり上げて、相手の体勢が崩れたところを打突する技である。すり上げ技には、「面すり上げ面」「小手すり上げ面」「突きすり上げ面」といった技がある。
返し技は、相手の打突をすり上げたり受けたりした後に、その力を利用して表で応じたら裏に、裏で応じたら表に返す技である。返し技には、「小手返し面」「面返し胴」「胴返し面」といった技がある。
打ち落とし技は、相手の打突を右下や左下に打ち落としてから打つ技である。打ち落としながら打つ場合と、いったん打ち落としてから打つ場合がある。打ち落とし技には、「面打ち落とし面」「小手打ち落とし面」「胴打ち落とし面」といった技がある。
このように、応じ技には多様な技がある。どの技も難度が高く、習得するためには繰り返し修練する必要がある。
まとめ
今回は「剣道の応じ技のコツと練習方法を種類別に解説|学科で説明するときの例文も紹介」と題して、高難易度の応じ技について紹介してきました。
応じ技とは相手の力を利用して打突をする技のことをいい、大きく分けると、
- 抜き技
- すり上げ技
- 返し技
- 打ち落とし技
の4種類がありました。
どの技も難易度が高いため、それぞれにコツはあるものの、上達するためには繰り返し練習するしかありません。
難易度の高い技ができると、試合や昇段審査で有利になります。繰り返し修練し、自分のものにしていきましょう。