剣道の昇段審査の筆記試験では「日本剣道形」に関する問題が出題されることがあります。
昇段審査は実技試験、日本剣道形試験、筆記試験で構成されているため、段位を取得するためには日本剣道形に関する知識が求められます。
たとえば「日本剣道形の3本目について説明しなさい」という問題が出題されます。
実際に昇段審査の筆記試験で出題された場合には、
「日本剣道形の3本目について説明しなさい」と言われても何を書けば良いか分からない
という気持ちを抱く人は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「【日本剣道形】3本目を筆記で説明しよう!ポイントや注意点を解説」と題して、日本剣道形3本目をどのように説明したら良いかを紹介します。
この記事を読むことで、日本剣道形の流れや注意点を知り、筆記試験の答案を悩まずに書くことができます。
ぜひ最後まで読んでください。
目次
日本剣道形3本目の説明の仕方は流れと注意点を説明する
日本剣道形3本目についての説明を求められたときには、次の2つを必ず書くようにしましょう。
・日本剣道形3本目の流れ
・日本剣道形3本目の注意点
筆記試験は出題された問題に対する「知識」と「理解」を審査されるものです。
日本剣道形3本目がどのような流れになっていて、どのような注意点があるかを述べることで、日本剣道形3本目に対する「知識」と「理解」が身についていることを証明できます。
それでは、日本剣道形の3本目の「流れ」と「注意点」をどのように説明するのか。具体例を紹介します。
日本剣道形3本目の流れ
日本剣道形3本目の流れについて、具体例を紹介します。
日本剣道形の3本目は、9歩の間合いで互いに下段に構え3歩前に進みます。間合いに接したところで、互いにゆっくりと中段に構えていきます。打太刀は機を見て刃を少し仕太刀の左に向けるようにして「ヤー」と言いながら諸手で仕太刀の水月を突きます。仕太刀は左足より1歩下がりながら物打ちの鎬を使って打太刀の突きを流すと同時に、右足より1歩前に出ながら「トー」と言って打太刀の胸部を突き返します。打太刀は右足を引き、仕太刀の剣先を右に押さえます。仕太刀は左足、右足、左足、右足の順で前に出て打太刀を詰めていきます。打太刀は、仕太刀の剣先を右に押さえた後、左足より1本探下がりながら仕太刀の剣先を左に押さえます。しかし仕太刀の勢いを抑えることができず、剣先を右下に開いて左足、右足、左足の順に下がります。打太刀はゆっくりと剣先を上げて中段に構えていきます。仕太刀は打太刀の剣先が上がってきたところで左足より1歩ずつ下がりながら中段に構え、刀を抜き合わせた位置に戻ります。互いに剣先を下げて9歩の間合いに戻り日本剣道形3本目は終了となります。
以上が日本剣道形3本目の流れになります
日本剣道形3本目の注意点
続いて、日本剣道形3本目の注意点の具体例を紹介します。
注意点は、打太刀と仕太刀のそれぞれについて説明する必要があります。
注意点は筆記試験を書くときの大切なポイントになりますので紹介します。
日本剣道形3本目の打太刀の注意点は2つ
日本剣道形3本目の打太刀の注意点は、次の2つです。
・仕太刀の水月を突く
・仕太刀が突き返してきたときの足の運びは「右→左→左→右→左」の順番
打太刀は機を見て「ヤー」と仕太刀を突きますが、ただ突くのではなく仕太刀の「水月(すいげつ)」をめがけて突きます。
水月とは「鳩尾(みぞおち)」のことです。
打太刀は仕太刀が「トー」と言って突き返してきたときに、右足を下げながら仕太刀の木刀の下を通すようにして仕太刀の剣先を右に押さえます。
しかし仕太刀がさらに1歩前に出てくるため、打太刀は左足を下げながら仕太刀の木刀の下を通すようにして仕太刀の剣先を左に押さえます。
それでも敵わないため、剣先を右下に開くようにして左足より3歩後退します。
このときに注意すべきは足の使い方です。
「トー」と言い仕太刀が突き返してくるところから、右足→左足→左足→右足→左足の順番で下がります。
左足から続けて2回下がる足の使い方をするため注意が必要です。
仕太刀が「トー」と突き返してきたときは右足を下げます。
仕太刀がもう1歩出てくるため、今度は左足を下げます。
今左足を下げたので次は右足を下げたいところですが、ここではもう1度左足を下げます。
次は右足→左足の順番で下がっていきます。
仕太刀の足の使い方とは異なりますので注意が必要です。
以上2点が、日本剣道形3本目の打太刀の注意点です。
日本剣道形3本目の仕太刀の注意点は2つ
日本剣道形3本目の仕太刀の注意点は、次の2つです。
・仕太刀は、突き返すときの足の使い方は素直に右→左→右→左→右の順番
・残心後に打太刀が剣先を上げてきたら2歩下がったところで打太刀と互いに中段になるように合わせる
仕太刀は、打太刀が突いてきた木刀を受け流した後突き返します。
そして残心まで5歩前に進みますが、足の使い方は右足→左足→右足→左足→右足の順番で左右交互です。
打太刀は同じ足を2度続けて動かす足の使い方でしたが、仕太刀は違うので注意が必要です。
仕太刀が残心を示した後、打太刀が剣先を上げてくるので仕太刀は下がって行きます。
このとき仕太刀は、2歩下がったところで打太刀と中段になるように合わせましょう。
以上2点が、日本剣道形3本目の仕太刀の注意点です。
日本剣道形3本目の「流れ」と「注意点」を合わせて説明する
最後に、実際に解答用紙を作成するときの解答例を紹介します。
今回紹介する解答例は、参考程度に使用してください。
丸写しした場合、昇段審査で丸写ししたことが発覚すると不合格になることがあります。
繰り返しになりますが、参考として活用してください。
解答例
日本剣道形の3本目は、9歩の間合いで互いに下段に構え3歩前に進みます。間合いに接したところで、互いにゆっくりと中段に構えていきます。打太刀は機を見て刃を少し仕太刀の左に向けるようにして「ヤー」と言いながら諸手で仕太刀の水月を突きます。仕太刀は左足より1歩下がりながら物打ちの鎬を使って打太刀の突きを流すと同時に、右足より1歩前に出ながら「トー」と言って打太刀の胸部を突き返します。打太刀は右足を引き、仕太刀の剣先を右に押さえます。仕太刀は左足、右足、左足、右足の順で前に出て打太刀を詰めていきます。打太刀は、仕太刀の剣先を右に押さえた後、左足より1本下がりながら仕太刀の剣先を左に押さえます。しかし仕太刀の勢いを抑えることができず、剣先を右下に開いて左足、右足、左足の順に下がります。仕太刀が突き返してきたときの打太刀の足の運びは「右→左→左→右→左」の順番です。対して仕太刀の足の運び方は、「右→左→右→左→右」の順番であることに注意が必要です。打太刀はゆっくりと剣先を上げて中段に構えていきます。仕太刀は打太刀の剣先が上がってきたところで左足より1歩ずつ下がりながら中段に構え、刀を抜き合わせた位置に戻ります。このとき仕太刀は、2歩下がったところで打太刀と互いに中段になるように木刀を合わせるようにします。互いに剣先を下げて9歩の間合いに戻り日本剣道形3本目は終了となります。
以上が日本剣道形3本目の筆記試験の解答例です。参考にしてみてください。
まとめ
今回は、「【日本剣道形】3本目を筆記で説明しよう!ポイントや注意点を解説」と題して、日本剣道形3本目をどのように説明したら良いかを紹介しました。
昇段審査の筆記試験で「日本剣道形3本目」について説明する問題が出題された場合には、日本剣道形3本目の「流れ」と「注意点」を書くようにしましょう。
繰り返しになりますが、昇段審査の筆記試験は「知識」と「理解」を審査するためにあります。
日本剣道形3本目がどのような流れで、何に注意するかを説明できることは、「知識」や「理解」が身についていることの証明になります。
先ほど紹介した解答例を参考に、あなただけの答案用紙を作ってくださいね。
あなたの昇段審査の合格を願っています。