剣道の基本技である面打ち。
1番遠い場所になる打突部位のため、ダイナミックな技の1つであるため、「面打ちが上手になりたい!」と思っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は「剣道面打ちの基本!コツとポイントを知って練習すれば早く打てる!」と題して、剣道の面打ちについて紹介します。
この記事を参考にして稽古することで面打ちが上達します。
剣道の面打ちの5つの基本ポイント
剣道では、いかに速く、かつ正確に相手の打突部位を打てるかが勝敗を決めるカギとなります。
ここでは、面を正確に打つためのポイントを5つ紹介します。
面打ちの5つのポイント
- 真っ直ぐ振りかぶって真っ直ぐ振る
- 左足で床を強く蹴り上に跳ばずに前に跳ぶ
- 体が前傾したりアゴが上がったりしないように腰を水平に前に出す
- 竹刀が相手の面に当たるタイミングと踏み込んだ右足が床につくタイミングを合わせる
- 左足を速く引きつける
剣道の面打ちの基本的な打ち方
剣道の面打ちには、大きく打つ方法と小さく打つ方法があります。
試合や審査では小さく打つ方法が一般的ですが、日頃の稽古では大きく打つ練習もします。
ここでは、大きい面打ちと小さい面打ちの打ち方について紹介ます。
大きい面打ちの打ち方
大きい面打ちの打ち方には8つのポイントがあります。
ポイント
- 相手の顔が見えるまで自分の左拳を大きく振りかぶる
※目安は左拳が自分のおでこの辺りにくるくらい - 大きく振りかぶったら相手の面に向かって一気に振り下ろす
- 振り下ろしたときは、左手が自分のみぞおちの前にくるようにする
- 右手は自分の肩の位置まで振り下ろす
- 相手の面に当たる瞬間に雑巾を絞るように脇を締める
- 振り上げてから振り下ろすまで1拍子で動く
- 左足の母指球を意識して自分の腰を水平に移動させるように前に跳ぶ
- 左足は素早く引きつける
この8つのポイントを意識しながら日々稽古するようにしてください。
小さい面打ちの打ち方
小さい面打ちは、振りかぶらずに打つ方法です。
左手が自分のみぞおちの前にくること、右手は自分の肩の位置にくること、雑巾を絞るように脇を締めること、腰を水平に移動させること、左足を素早く引きつけることは、大きい面打ちと同じです。
小さい面打ち特有のポイントは、手首のスナップを使うことです。
振りかぶらない代わりに、手首のスナップを利用して素早く強い打突を打てるようになることが大切です。
剣道の面打ちの技の種類
ここまで紹介した面打ちは基本の打ち方です。
ここからは応用となる面打ちの技を4種類紹介します。
4つの面打ち
- 裏からの面打ち
- 出ばな面
- すり上げ面
- かつぎ面
裏からの面打ち
お互いに構え合って攻め合うときには、「表を攻める」「裏を攻める」という攻め方があります。
自分から見て、あなたの竹刀が相手の竹刀の右側にある状態を「表」、あなたの竹刀が相手の竹刀の左にある状態を「裏」といいます。
裏から面を打つということは、あなたの竹刀を相手の竹刀の左側を通すようにして面を打つということです。
ポイントは、しっかりと表から相手を攻めて表から面を打つ意識を相手に与えることです。
相手は表からの面を守ろうと意識するため、裏には隙ができます。
表からの面を意識させて、裏からの面で一本を狙ってみましょう。
出ばな面
出ばな面とは、相手の技の起こりを突いて打ち込む面です。
漢字では「出鼻面」と書きます。
出ばな面はタイミングが難しい技ですが、次のポイントを押さえて稽古してみましょう。
ポイント
- 自分から1歩攻め相手が打ってくるように誘う
- 相手が打とうとした瞬間(起こり)を先に打つ
- 手首のスナップで素早く打つ
- 基本の面よりも小さく1歩足を出す
剣道では一足一刀の間合いから攻防をしますが、一足一刀の間合いから1歩攻め入ります。
1歩攻め入ることで相手を打ち気にさせ、誘い出しましょう。
相手が打とうとする瞬間に手首のスナップを使って素早く面を打ちます。
相手も前に出てくるため、足を大きく出してしまうと間合いが近くなってしまいます。
小さく踏み込むことで間合いをコントロールするようにしましょう。
すり上げ面
すり上げ面は、打ちこんでくる相手の竹刀を自分の竹刀の鎬を使ってすり上げて相手の竹刀の太刀筋を逸らし、面を打つ技です。
相手の竹刀をすり上げるときに大きな動作になるとうまくいきません。
竹刀の先で半円を描くようなイメージで、最短距離でコンパクトにすり上げることがポイントです。
相手の竹刀をすり上げたら直ちに相手の面を打つことが大切です。
かつぎ面
かつぎ面とは、自分の竹刀を肩にかつぐように振りかぶって面を打つ技です。
基本的には、自分の左肩にかつぐように振りかぶります。
竹刀をかつぐことで攻めとなり、相手を反応させることによってできた隙を突く技です。
竹刀をかついだ後は大きな軌道で面を打つようにしましょう。
小さな軌道で打ちに行くと、小手を打たれるリスクが生まれます。
竹刀を1度かつぐことで相手を動揺させて隙をつくる技ですので、多用せず、ここぞという場面で使うと良いでしょう。
剣道の面打ちの受け方
ここからは面打ちの受け方、いわゆる打たせ方を紹介します。
面を打たせるときには、自分から見て、相手の中心からやや右側に剣先をずらしてあげましょう。
大きく開ける必要はなく、相手の体から剣先が外れるくらいで問題ありません。
相手が面を打突したら、相手が抜けていけるように左右どちらかに1歩出ます。
打たせる側が実戦を意識して打たせないと、打つ側が上達しません。
試合中に大きく竹刀をあけて面を打たせてくれる人はいませんよね。
同じように、稽古でも最小限に竹刀をあけて打たせるようにしてください。
まとめ
今回は「剣道面打ちの基本!コツとポイントを知って練習すれば早く打てる!」と題して、剣道の面打ちについて紹介しました。
面打ちを上達させるためには、
- 真っ直ぐ振りかぶって真っ直ぐ振る
- 左足で床を強く蹴り上に跳ばずに前に跳ぶ
- 体が前傾したりアゴが上がったりしないように腰を水平に前に出す
- 竹刀が相手の面に当たるタイミングと踏み込んだ右足が床につくタイミングを合わせる
- 左足を速く引きつける
という5つのポイントが大切です。
そして何より、毎日の稽古でしっかりと上記の5つを意識することが何よりも大切です。
面打ちが上達するように、ポイントを意識しながら繰り返し稽古に励んでください。